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「評価指標の統合リスト」について
情報システム研究機構 男女共同参画推進室
中村 淑子
本資料は、2017年5月開催のジェンダーサミット10分科会4「ダイバーシティ推進に係る評価手法の提示」において、討論時間に使用した英語版の評価指標リストに、I-URIC大学共同利用機関法人4機構連携・男女共同参画シンポジウム(同年11月開催)に際して日本語の対訳を付けたものです。
他国のジェンダー平等の指標として、英国Equality Challenge Unit(ECU) における銀メダル獲得の検討要件、欧州機構のHorizon2020に採用された「genSET (科学者から科学者へ宛てた13の提言)」を用いています。さらにアメリカ国立科学財団(NSF)の女性支援プログラム ADVANCEでの検討要件となっている指標の情報も加えています。日本の指標として、お茶の水女子大学グローバルリーダーシップ研究所 内藤 章江先生のご了解を得て「お茶大インデックス(Ocha-Index)」の一部を掲載しています。
この試みは各国共通の指標を抽出することを第一の目標にしています。同時に、共通項に当てはまらない部分から国ごとの特徴的な傾向も明らかになるものと考えています。
本リストの使途については、ジェンダー平等の効果が上がりやすく、可視的な変化が期待される、また他への影響力がある等の観点から、日本の大学や研究機関がジェンダー視点を取り入れる際に役立つ項目を精査し、研究環境の改善に向けた日本オリジナルの評価指標を策定することを最終目標としていますが、ジェンダー平等に関する国際研究や、関連する研究集会等で資料として用いていただければ幸いです。
「評価指標の統合リスト」はこちらからご覧になれます
統合作業のプロセス
1. genSETリストをベースとして、ECU(銀メダル)リストから類似の評価項目を挿入・統合した。
下記の7カテゴリーに分類し、類似の指標が隣接するように項目間に挿入し、統合リストとした。
1) Science Knowledge-Making, 2)Training for staff, 3) Human Capital, 4) Practices and Processes, 5) Flexibleworking, 6) Regulation and Compliance, 7) Action Planの7つ
2. genSET由来の評価項目には元リスト上の番号を(G-1)のように表示した。同様にECU由来の項目には(E-1)のように表示した。
3. 上記の統合リスト中、NSF ADVANCEで評価対象となっている項目をマークした。(NSFのKellina Craig-Henderson氏の協力による)
4. お茶大インデックス(Ocha-Index)と統合リスト上の項目とを比較し、共通・類似項目の挿入を行った。
統合リスト上では(O-1)のように表示した。
5. ECU(青), genSET(赤), NSF(緑), Ocha-Index(黄)のカラムに色表示を加えた。
6. 各項目の日本語対訳を並記した(2017年10月)。
7. I-URIC大学共同利用機関法人4機構連携・男女共同参画シンポジウムの議論に基づき、各項目の分類の見直しを行った。具体的には、1) Science Knowledge-Making(ジェンダー視点に基づいた科学的知見の創出), 2) Training for staff(職員の研修), 3) Human Capital(人材・雇用・人事), 4) Practices and Processes(取組とプロセス), 5) Flexible working and support for child-rearing(勤務体制の柔軟性・育児支援など), 6) Regulation and Compliance(制度・コンプライアンス), 7) Action Plan(アクションプランによる目的・目標の明確化)の7カテゴリーとした(2018年3月)。
8. お茶大インデックスから10個の項目を統合リストに追加し、全体の見直しを行った(2018年11月)。