第一回 データで見せる日本の女性研究者の実像
情報・システム研究機構 郷 通子
2010年7月、日米女性研究者のシンポジウム(Japan-US Symposium 2010 -Connections-) が国立女性教育会館で行われました。テーマは「女性研究者のエンパワーメントと新領域創成に向けた日米シンポジウム」(Connections: Bringing Together the Next Generation of Women Leaders in Science, Technology, Engineering and Mathematics)で、日本とアメリカから各15名(総計:女性29名、男性1名)の研究者が招かれ、基調講演、パネルディスカッション、分科会、まとめの討論が極めて濃密度に行われました1~3) 。米国の参加者から、「共同研究を組みたくても、日本の女性研究者のデータベースがないため相手を探せない」との意見があり、全体会議での議論になりました。国内の女性研究者どうしも、分野が違うと知り合う機会がなく、情報交換や分野融合研究の機会がなかったことが話題となりました。折しも、日米シンポジウムの直前に行われたプレ会議において、「女性研究者の見える化」を図るために、情報学研究所の新井紀子さんから「女性研究者総覧作成」の提案がなされたことはとてもタイムリーでした。
早速、堀田凱樹機構長(当時)に機構長裁量経費からの支出をお願いして、本機構らしい男女共同参画の一環として、女性研究者総覧作成事業「羽ばたけ 日本の女性研究者」を開始しました。新井さんが中心となって研究開発を行ったResearchmapに登録されている女性研究者の情報だけを集めて発信(日本語・英語)し、「女性研究者の見える化」を実現します。
JSTの協力で、今回Researchmapに性別欄を設け、女性研究者の情報を自動収集できる準備が整いました。研究分野に従って、分野ごとに自動分類して、女性研究者のリストを表示します。性別を公開しても構わないという女性研究者が約100人を超えた時点で、「羽ばたけ 女性研究者」のサイトをオープンする予定です。
是非、多くの女性研究者に登録していただきたいと願っています。この夏頃には、日本全体の女性研究者に関する情報の発信により、わが国の男女共同参画の推進に寄与できまますように考えています。
参考
1) 国立女性教育会館 平成22年度事報告
「女性研究者のエンパワーメントと新領域創成に向けた日米シンポジウム」
http://www.nwec.jp/jp/program/invite/2010/page04Ms.html
2) 郷 通子:「女性研究者のエンパワーと活躍に向けて」
平成22年度「男女共同参画国際シンポジウム」報告書 山形大学
http://www.yamagata-u.ac.jp/kenkyu/danjo/
3) 郷 通子:「女性研究者が輝くために」
会誌「表面科学」2011年7月号
http://www.sssj.org/jsssj/kaishi_index.html
「女性研究者のエンパワーメントと新領域創成に向けた日米シンポジウム」
http://www.nwec.jp/jp/program/invite/2010/page04Ms.html
2) 郷 通子:「女性研究者のエンパワーと活躍に向けて」
平成22年度「男女共同参画国際シンポジウム」報告書 山形大学
http://www.yamagata-u.ac.jp/kenkyu/danjo/
3) 郷 通子:「女性研究者が輝くために」
会誌「表面科学」2011年7月号
http://www.sssj.org/jsssj/kaishi_index.html